大学の学部を大別すると、文系と理系の二種類に分けることができますが、こと理系学部を卒業した人には、どのようにキャリアを築いていけばよいのでしょうか。
大学院への進学を目指す
学部生を卒業してそのまま就職を選ぶ人は多いと思いますが、専門的な学問を研究するために大学院への進学を考える人も多いでしょう。
大学院は指定大学が設置している研究部門というイメージがありますが、ひとくちに大学院といっても、独立研究科や専門職大学院のような様々な種類があり、機関によってその特性が大きく異なります。
◇独立研究科とは
一般的な大学院が学部をもつのに対して、独立研究科は名前の通り研究に特化した大学院です。学部の種類を問わずに、本人のもつ知識やスキルなどの専門性を組み合わせて、研究を進める機関です。大学のように基礎的な学部をもたず、様々なジャンルから新しい発想やより専門性を高めることもできます。
◇専門職大学院とは
専門職大学院は、専門的な技術力をさらに磨いて実践に活かそうとする大学院を指します。知識を深めることはもちろん必要となりますが、どちらかというと技術力を高めようとする大学院です。専門的技術力を向上させ、現場で活躍するよう人材を育成します。
専門職への就職を目指す
将来は専門的なスキルを活かして就職を目標にする場合、企業がどのような人材を募集しているのかを事前に把握しておきましょう。採用実績から、就職を希望する企業の求める人物像がみえてくるかもしれません。また、その業界で何が必要とされているのかを確認することもでき、これからの進路に役立つでしょう。
一方で、専門職へ志望する理由はきちんと持つようにしましょう。「単に専門職に憧れて」とカンタンに伝えた程度では、企業に採用されることは稀です。応募の際は、採用担当者に将来性を感じさせるようアピールを心がけましょう。これは、大学は個人の伸ばしたい学問を自由に学べる場所ですが、企業というものは利益を求める場所であるという違いがあるためです。
専門以外の就職
希望する専門職へ就職が決まることもありますが、今まで学んできた分野以外の場所に就職するケースも珍しくはありません。学んできたものが違うため、すぐに実務に応用できず「学んできたものはムダだった」と感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、企業側からすると異なるジャンルを学んできた人材から新しい発想やビジネスモデルを生み出すチャンスにも繋がるためメリットはあります。例えば、ゲームプログラミングのできる人材が集まってゲーム開発をしただけでは、その商品が売れる可能性は低いでしょう。そこで、ゲームをする側の視点に立ち、何をすれば面白いのか、今後の欲しい機能を予測するなどのユーザー目線で考える人材も企業には必要です。
近年では、理系と文系の能力を併せ持った文理融合型の人材を育成しようと、新潟大学工学部が新しいプログラムを立ち上げています。応用力を身に付けたいという人であれば、こういった文理にとらわれない学部で学ぶのもいいでしょう。
また、新潟大の工学部は、定員数を増やしたり、キャンパス周辺に寮やマンションを増設し、人材育成を積極的におこなっていることでも注目をあつめています。