ロボットの歴史をおさらいしてみる
「ロボット」という概念が急激に世間に浸透するようになったのは1950年代からです。
第2次大戦前後は世界的に科学技術が軍事目的に多く開発された時代であり、生物兵器やより殺傷能力の高い爆発兵器が数多く開発されました。
しかし戦争が終わることによってそれらの技術や開発に携わってきた人間が急に放り出されたような形になり、以後軍事目的以外に利用ができるようにと多くの分野に技術者が散っていくことになったのです。
それから冷戦集結となる1989年までの間、表には出ない形で様々な兵器開発がされてきたわけですが、そうした表に出ない社会不安が作り出したのがファンタジー創作でした。
おそらく現在30~40代くらいの人は80~90年代に起こったファンタジーブームに乗った創作物を見たことがあるのではないかと思います。
代表的な存在としては米国のファンタージー小説家のアイザック・アシモフやレイ・ブラッドベリなどがあります。
そうした創作物に登場してくるロボットたちはフィクションではあるものの、かなりリアリティを持った存在であり当時の優れた創作物がそれから20年近く経った現在においての実際のロボット開発の基礎になっていたりします。
日本で最初にロボットとして開発をされたのは、1960年代より導入された川崎重工の「ユニメート」ではないかと言われています。
ユニメートは米国のユニメーション社と提携して開発が進められることになったもので、これが1970年代に入ると他の企業にも波及し次々と新しい開発が始められていきました。
政府も力を入れるロボット産業開発
日本はもともと細かい工業製品を製造する能力に長けており、現在も国内の数多くの中小ベンチャー企業がロボット開発事業を行っています。
既に成熟期を迎えている自動車産業に変わり、新たな日本の技術力を生かせる産業としてロボット製造は注目をされていて、政府や自治体も支援を多くおこなっています。
これまで日本国内でのロボット産業のメインとなってきたのは主にオートメーション化による産業ロボット開発だったのですが、最近になってAI(人工知能)開発や人型ロボットの開発などにも進出を早めています。
既にロボット産業界においては物理的・電気系統的な技術は成熟しているため、今後はそこにAIやVRといった新しい技術をどのように関連させていくかということがポイントになります。
人型ロボットとしていち早く有名になったのがホンダのアシモですが、それ以後全国各地で接客を対応するPepper君などもおり、今後チェーン系店舗においては従業員ではなくロボットが対応するという施設が増えてくるのではないかと思われます。