工業製品をデザインする専門的なデザイナー職
プロダクトデザイナーとは、工業製品のデザインを行うという専門的な仕事です。
デザイナーというと、ファッションデザイナーやWebデザイナーといったように、見た目の美しさを考えるための仕事というイメージがあります。
しかしプロダクトデザイナーはそうした人目を引くようなデザインとしてだけでなく、使う人にとって実用的であるデザインとして考えていくことが主な業務です。
ただここ最近の傾向として工業製品の機能美も高い評価の対象となってきていることから、プロダクトデザイナーという仕事もデザイン業界では人気が高まってきています。
別の職業名称として「インダストリアルデザイナー」や「コンセプトデザイナー」といったものもあり、どの段階からデザインに関与するかにより少しずつ名称が異なっているようです。
細かい言葉の違いで説明をすると、インダストリアルデザイナーというのは工業製品である自動車や飛行機、家電製品、医療機器といった機械関連製品がメインとなっているのに対し、プロダクトデザイナーはその他の製品である家具やインテリアなども担当範囲に含まれます。
コンセプトデザイナーはさらにもう少し範囲が広く、その製品をデザインするにあたりマーケティングリサーチや企業イメージなども考え、総合的なプランニングをしていくことが仕事です。
美術系の勉強とともに商品開発の知識が必要
プロダクトデザイナーの仕事は企業によってそれぞれです。
機械系の製品を多く取り扱う場合には、デザインの知識だけでなくそれぞれの機械製品の特性なども理解しておかなくてはいけません。
そのため就職をするときには工業系の知識があることが必須条件になっていたりします。
美術系と工業系というかなりかけ離れた学問知識が求められることから、大学や専門学校では専門の学部を設置しています。
代表的なところとしては首都大学東京のシステムデザイン学部や、多摩美術大学美術学部の情報デザイン学科・プロダクトデザイン専攻といったところがあります。
プロダクトデザインを専門に学ぶことができる学部学科は案外全国にたくさんありますので、学ぶ場所を探すこと自体はそれほど難しくはありません。
それは裏返すと就職先での競争率が高くなってしまうということでもあります。
プロダクトデザインを学んだ場合、就職先の候補となるのは企業のメーカーの商品企画部などです。
ほとんどの場合、まずはそうした一般企業の企画部でチームでの仕事を学びます。
プロダクトデザイナーの魅力は、広告代理店やデザイン事務所に就職して、メーカーから発注される案件について自分独自の提案で作品として作りあげていく、という達成感にあります。